オランダ(ハーグ)セミナー 1.
2024年10月12日、13日 オランダのハーグ、10月19日20日イタリアのシシリア島パレルモと2週間続けて、指圧講習会に招待されて行ってきました。
オランダは、2008年と2017年に日本指圧専門学校の先生方を招いて大規模な指圧セミナーが開催されました。
浪越指圧の普及のためにヨーロッパのメンバー一同が一丸となってヨーロッパ各国で、指圧セミナーを展開中に、世界をどん底に落とした不幸な出来事が、武漢ウイルスの世界中の蔓延でした。
武漢ウイルスのパンデミック後、ヨーロッパの指圧市場は、極端な冷え込みを見せながら、どうにかしのいできた事実があります。
指圧治療にしろ、指圧の普及にしろ、各国の厚生省は、人と人の距離を置く政策を掲げて、指圧界にブレーキを掛けました。
このマイナスの要素が、起因して、いくつもの指圧學校、指圧治療所が廃業を余儀なくされました。
こんな中、2022年、2023年に入り、どうにか立ち直りを見せ始めました。
2024年に入りどうにか各国の指圧仲間(ヨーロッパ指圧浪越)の活発な動きの情報が入るようになりました。
そんな折、オランダのハーグ(アムステルダムから60㎞離れた経済、商業の中心地)で、長年SHIATSU SCHOOLを営むヴェロニカ先生が音頭を取り、指圧講習会が開催されました。
大腰筋の指圧治療(抗重力筋)がメーンテーマです。この大腰筋に的を絞り2日間の講習がスタートしました。
会場になる大きな道場には、驚かされました。合気道、指圧をメーンにお年寄りのための気功、ヨガといった健康をテーマにした施設として自治体から借り受けているのだそうです。
オランダの健康に関する自治体の取り組み、すなわち第3の医学である予防医学の理解度は大変高いとのことです。
鍼灸及び指圧を含める手技療法は、国の健康保険はまだ認めてられていませんが、プライベートの健康保険の適用は、正式に認められています。一般的な治療費は、80ユーロ(約12000円)前後が一般のようです。高い治療費に見えますが、物価もそれ相応に高いので、北欧としては、普通と言えます。
宮下よしのり先生(23期)
この道場に週一回指圧を教えに来ている先生は、宮下よしのり先生です。先生は、日本指圧専門学校の23期の卒業生です。オランダの居住期間は、43年になるそうです。
その間、指圧治療の傍ら指圧を教えて今では何百人という門下生が、オランダ内外で、指圧関係で、生計を営んでいるとのことです。
優しい口調での教えは、紳士淑女の国であるオランダには、誠にマッチした、指圧指導とのこと、誠に地に着いた指導で、評判が高い先生です。
このセミナーを開催したベロニカ先生は、指圧歴25年のベテランの先生で、スペインで、私のスクールにて10年ほど在籍後、地元のオランダに帰国してやはり治療と指圧の先生として生計を立てています。浪越指圧の基本の施術では、モデルになるほど完璧な姿勢で、生徒を魅了させています。
宮本やす先生(28期)
オランダ在住で、やはり指圧で生計を立てている日本指圧専門学校の28期の卒業生が宮本やす先生です。本拠地は、アムステルダムです。
日本専門学校卒業後、ハワイに渡り、ワイキキの指圧治療院で長年働き、そしてニューヨーク、修行を積んでオランダにわたり、アムステルダムのホテル大倉の指圧治療院で、責任者として長年働きました。その後、独立してプライベートの指圧治療院を経営しています。指圧指導も別団体(禅指圧系、経絡指圧系)の依頼などにちょくちょく呼び出されては、独自のテクニックを伝授しています。
今回のテーマは、姿勢筋である抗重力筋のメーン筋である、大腰筋をテーマにして2日間の講習を計画しました。
来年は、第2弾として前頚部の胸鎖乳突筋にテーマを絞りレクチャーしたいと思っています。
イタリア(パレルモ)セミナー 2
2024年10月19日、10月20日の両日、イタリア・パレルモ国立大学体育学部professor ROMINA先生の招待で、イタリアシシリア島の首都であるパレルモに指圧講習に行ってきました。
ROMIRO先生
主催のボスであるROMINA先生は、元水球のイタリア選抜選手でした。数々の国際大会に参加し、選抜から退いたのちに地元のパレルモ大学の体育大学の先生として働くようになりました。
大学で働きだした当初、ローマのパロンビーニ先生の元、指圧を習い始めました。何やかやで、月日がたち何回かの指圧のローマ大会があり、私もイタリアに講師として招待されるたびに、ROMIRO先生の姿を何回も拝見いたしました。
シシリア島の鎧をまとったお人形をもらい今でも治療所に飾ってあります。あれから何年たったのでしょうか。
ROMIRO先生は、大学で教鞭をとりながら自宅に治療所を持ち、そして大学では、スポーツ選手の指圧のケアー、そして興味のある体育学部の生徒に指圧を教えるようになりました。
ANTONIO BIANCO先生
体育学部の責任者(部長)であるANTONIO BIANNCO (アントニオ ビアンコ)先生も元サッカー選手で、指圧とスポーツのテーマに大変興味があり、ROMIRO 先生の第一の理解者だそうです。
指圧とスポーツの博士論文
昨年 7人の生徒が、RAMIRO先生の1年間の指導下のもとに指圧とスポーツという博士論文を製作して無事提出したようです。
国立大学の博士論文に指圧を題材にした論文が、提出されたことは、指圧界の快挙と言えます。
体育学部の学生に指圧の講義
今回は学部部長のご好意により、正式に土曜日、日曜日のホテルにての指圧講習を無事に終わらせた翌日の月曜日に10時から12時の2時間の時間を頂き、体育学部の生徒約120人が集まる講堂にて、指圧とはなんぞやの講義をやらせていただきました。
NHK ラジオ体操第一
始めに100人の生徒を目覚めさせるためにNHK ラジオ体操第一をヴィデオで流しました。皆様も一緒にと言い、準備体操が始まりました。大いに受けました。拍手喝采です。
次に浪越徳治郎先生の4つの手技療法の説明と、指圧の心のデモを披露して、これまた徳治郎先生のカリスマのお陰で、またまた拍手です。
ここから2時間休みなしの指圧とはの講義が、始まりました。
国による教え方の違い
40年のヨーロッパスペインの生活において、約100回ほど、セミナー、及び会議のためにイタリアに言っています。
国によって、国民の気質が違いますので、それを前もって勉強しておかないと、まったくもってお粗末なセミナーになります。オランダとイタリアのセミナーの進行方法は、まったくもって違います。
ヨーロッパ人は、つまらないとさっさと退出します。しかし受ければ、拍手喝采です。この辺の試練、経験は、当たり前のことです。
指圧の未来展望
2時間の講義が終わり、ROMIRO先生に聞くと生徒は、より指圧に興味を持っただろうと喜んでいました。
ROMIRO先生のような先生が、指圧を体育学部の生徒に普及してくれれば、確実に底辺が、広がります。ローマやミラノの体育学部に広がればと、まんざら夢でもない指圧普及をこの地で経験しました。
塾SHITASUPARACTOR
塾長 小野田茂