ルーマニアにてパート1

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ルーマニアというとすぐにコマネチを連想する年代は、ちょうど私あたりの年代かもしれません。ビートたけしさんのコマネチポーズで笑えるのもまったくもって、昭和枯れすすきの歌を聴いてニヤッとしてしまう私たちの年代のようです。

 ルーマニアに指圧協会ができてちょうど5年目になります。これまで私が2回、うちのスタッフが2回ほど講習会に行く機会がありました。今回は私の順番のようでルーマニアの首都、ブカレストから車で約4時間ぐらいの距離にあるガラティという人口20万人ほどの地方都市に指圧講習の招待があり出かけました。
 私の息子と私、そして通訳のイワナさんの3人が用意された車でいざ出発です。車中時間がありましたので,いろいろルーマニア事情をイワナさんに聞くことができました。イワナさんは、おそらく30前後であろうと想像できます。大変親切な方でした。ブカレスト大学の日本語学科を卒業して、1年ほど奈良に留学していたといっていました。俗にいう親日家です。ぼちぼちではありますが、ルーマニアにフラフラとくる日本人がいるらしくネットを通じてそれなりの仕事をしているみたいでした。
 目的地まで2,3百キロと推測できますが、何しろインフラ整備が遅れていて日本の田舎道が延々と続く感じで風景もトウモロコシ畑、ひまわり畑が延々と続く、牧歌的な妙に癒される風景が退屈さを忘れさせてくれました。時々、ロバさんの荷車が、おばさんおじさんを乗せて堂々と道路を横切る風情は、まことに持って私をうっとりさせるのでした。
 あのお百姓さんいくらぐらい稼ぐのと思わず聞くと、月に200ユーロ(28000円)ぐらいでしょ。でも食べるものにお金が、かからないからとそっけなく答えが返ってきました。首都ブカレストの公務員のお給料が500ユーロ(68000円ぐらい)前後だそうです。地方に行けば、その3分の2だそうですので、ヨーロッパで一番の出稼ぎ国の理由も納得がいきます。道路沿いにポンプのようなでかい機械が風車みたいにうなっているのが、ありましたので聞いて見るとなんと石油をくみ上げているとのことでした。金持ちになるべく国が貧乏という方程式は、南米よろしく汚職が花盛りということです。共産党時代の生き残りが、まだまだ勢力を持っていて、そのへんのところが、悲しかなルーマニアの弱点なんでしょうね。いい車が、首都の道を闊歩していましたので、その辺は、ラテン民族の共通項なのかもしれません。世の中金だけじゃないとは言いながら金があった方がいいらしく農家に生まれた子供は、長男を筆頭に皆で稼ぎ、残るは、末っ子だけだそうです。しょうがなく末っ子が、後継ぎになるケースが増えていると言っていました。農業は、きついからなー。かといって都会の暮らしも、こんな国に限って学歴がものを言いますので、所詮は、バーや飲食店のウエーター、ウエートレス、ビルの掃除人ぐらいしか職はないみたいです。さー目的地につきました。なんとドナウ川を一望できるホテル、主催者の気配りに乾杯。時間がゆっくりと流れてゆきます。こんなひと時、妙に満足感がただよう一日目でした。

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