医者の心はオール赤ひげ

| 0 comments

ヨーロッパの国によってさまざまなんだろうけど、スペインは大学といえば、国立か、各州の自治大学が一般的です。私立もありますが、まったく片隅の存在です。ハイスクールが終わると、内申書も加点の対照にはもちろんなりますが、全スペインン統一試験があります。

 この統一試験の総合得点の出来によって上位から順番に希望の大学と学科を選ぶことができます。各大学の各学部に入るには、ランク付けがあり、例えば10点満点で9から上が医学部、8,5以上が建築学科といった各学部に入るためにはある一定の得点獲得が必要になります。そのランク付けの中で、例えば、国立大学、自治大学の医学部の中でもカテゴリーがあるわけで、上位得点獲得者が、人気のある医学部を順番に選びます。ある一定内の得点を獲得しても順番が来るまで、どんどん、人気のあるまたは、大都市の医学部は、希望者の選択が多いので数日で定員オーバーになります。
 残った医学部は、地方の貧乏州の大学の医学部だったり、島にある医学部だったりするわけです。誰でも同じお金を払って勉強するのであれば、スペインでは大都市のマドリッドとか、バルセロナの大学の医学部が、将来的に、または高い技術の習得に、都合がいいのが、わかっていますので、自ずとその差が出てくるのは当然と言えます。それではと学科を変えて進路を変えて、大都市に納まる輩も出てくるわけです。マーその辺で進路を変える奴は、医学の道に、迷い込まない方がいいのは当然といえます。
 この辺はすべて公平です。その上、国の教育機関ですので、月謝もほんの何万円単位です。一様スペインは、大学に入学することは皆が平等にできるわけです。しかし統一試験は、やはり現役が圧倒的に強く、1浪,2浪この辺が限度かもしれません。統一試験のための予備校があります。うちの息子、娘も1年間通わせた記憶があります。この学費は、結構高かった記憶があります。
 また何何大学といっても、各学科が独立独歩ですので、医学部に入り、向いてないからほかの学科に編入とはいかずに、また統一試験を受けて一からやり直しがここスペインのシステムです。
 大学の医学部は6年、結構厳しいみたいで、3割ほどは、ドロップアウトのようです。ただ頭が良いから医学部に入る東大と違い、医者になりたくて医学部に入る学生がほとんどですので、3割程度の退学なら上等のようです。今日本で問題になっている、医学部の不正。この辺の不平等は、こちらではうわさに上ったことはありません。私立は、あくまで個人経営ですので、オーナーの親戚や側近が優遇されるのは、当然と思うスペイン人が大分いるとは思います。なぜなら、国家からの大学への特に私立大学の補助はほとんどありません。金は出さない、口は出すは、どこの世にも通じないみたいです。
 公平に試験の上位が入学できるシステムのスペインを見ると、やはり成績は,平均的に女子が上です。そんな訳もありスペインの医学部は7割は女子のようです。今の時代、男だから、働くだろうという固定観念は捨てるべきで、女子の根性は、条件さえそろえば、結構やりますというのがスペインに長くいる自分には感じます。解剖の実習で、貧血で倒れるのは決まって男の子だそうです。ただ出産、子育てというマイナス要因はありますが、医療機関の理解があれば十分補うことができるはずです。
スペインは最近、政府が変わりました。行き過ぎとは思いますが、閣僚がほとんど女子という現実があります。新安倍政権の閣僚女子1人というのも、ヨーロッパの国々は、どう見ているのでしょうか。日本はやはりまだまだの国のようです。ヨーロッパでは、活躍の世界を女子にも与えるチャレンジ精神は、確かに認めざるしかありません。ただ勉強勉強で生きてきた輩は,粋と遊び心がないので、いざというときに非常に見苦しいですが、これもあとで反省して大人になればいいので、女子の進出を期待します。
 また、この国立出身という医者は、すべてがすべてとは言いませんが、お金に執着している感は、ありません。医者の使命をひしひしと感じる医者がスペインには一杯います。また、医者イコールお金持ちといったイメージもありません。これは、初歩の段階で、国立の月謝、私立の月謝の違いから始まっているのかもしれません。
 日本の場合、医学部は私立がひしめいています。最低医者になるために1億円が必要といわれています。ここから道が始まります。いくらバカ娘、大馬鹿息子のためとはいえ1億円は、確かにたまげた額です。誰だって、医者になればかかったお金を回収したいのは当たり前です。この辺が、ヨーロッパの医療従事者と日本の医者との根本的な違いかもしれません。こちらの医者は、国境のない医師団に所属して貧しい国の医療援助をして帰ってきても、その行為を履歴書に載せればポイントが上がります。日本で医局をお休みして、そんなことをしたら医局の席は間違いなくなくなるという現実があります。建前と本音が生きているのが現実です。
 一頃のパイロット、スチュワーデスのカテゴリーありの時代と同じように医者も上級ランクのカテゴリーに今は入っておりますが、あと何年かすれば、努力の割には報われない職業に必ずなるはずです。そんな時が必ず来ると考えれば、本当の医者の使命の教育を今怠れば、大変ことになります。 
 この辺を、頭の良い官僚が、真剣にそして早急に考えてくれないと日本の医学の未来は間違いなく闇です。
 結論を言わせてもらえば、医療従事者のすべてが、頭の良い人は必要ありません。せいぜい3割が超頭の良い医者、あとの7割は、赤ひげこれが理想じゃないかと私は思っています。最先端の技術で、立ち向かう医療業界、素晴らしことです。しかし生活習慣病さえ克服できない現代の医学、スマホ世代の為の予防医学。まだまだ問題が山積みしています。行き着くとこまでいかないと反省しない人間の宿命。サー明日はどっちだ。

コメントを残す

Required fields are marked *.