久しぶりにダウンタウンのラストロという名前の付いた蚤の市に行ってきました。骨董品が売られていたのは、昔々で、もう、無残、無惨 大半のテントは、中国製の洋服が売られています。それでも結構買う人がいてそれはそれはで混んでいました。昔を懐かしむわけではないのですが、確かに昔は、ガラクタは超ガラクタでも、客の魂をぴくんとさせる、品物があったのですが、プラスチック製にそんなことを望んでもしょうがないと言えば、それで会話が途切れるのでした。銀製の食器類の古いのは、ここ西洋だけあって、素晴らしいガラクタがあります。その辺を物色できる予算がないので昔から真鍮製のお茶のみとか、マーその辺のガラクタは、随分集めました。価値はないのですが、何か昔の人がごくごく平凡な人が使用していたであろう真鍮の食器類、誰が使ったかわからない品物です。人形と同じように収集を嫌う人もいるけど、私は、あの多彩な形の数々に翻弄されます。また以前の所有者の生活物語を想像させてくれて誠に夢が膨らみます。
サーカスのポスターは、毎年クリスマス近くになると商店街にある電柱などに貼られてあるのをのをよく見かけます。夜散歩がてら前もって昼間、どこに貼ってあるかを下見しておいて目的地に一目散です。1枚、2枚じゃ迫力がありませんが、40年間に集めたポスターの数は、確かに迫力があります。
地方にクリルマス頃行くとやはり田舎ほど、毎年の子供たちの楽しみであるサーカス団が来ているものです。超やぼったいポスターをこれまた手に入れるのでした。昔はノリでべたべた、ここ10年ぐらいはセロテープでバリバリに貼ってあります。のりのほうがきれいにはがせるものです。セロテープはいけません。集めることに興味があり、集めると戦利品はほったらかしです。
この夜歩き、ガラクタ争奪の癖は、20歳ごろバルセロナに遊学していた頃からのものです。もう半世紀前になるのですが、あの頃は、古い建物を壊して新しい建物が、どんどん建て替わっている時代でした。そんなこともあり、街角のゴミ収集場所に結構、革製の旅行鞄とか、昔のごつごつのコートとか、宣伝でもらったおまけの商品とか、もうすでに新しい家には、まったく似合わないガラクタが結構捨てられていたのでした。それを私みたいな暇人が夜、あくまで散歩がてら、探しに行くのでした。結構同じ目的の人が、克ち合ったりして、ニヤッと挨拶したり、いい青春だったと自己満足しているのでした。一方スペインに勉強に来た人は、そのころ黙々と自室で、勉強していたわけであります。あれから50年たった今、あの頃の戦利品が、いくつか保存してありますが、確実に私があの世に逝ったら、その翌日には、息子、娘が、ごみ箱に捨てていることは、確実です。
趣味で集めたものは、当人には貴重でも他人から見ればガラクタですので、その辺は勇気をもって処分をすべきなのでしょうが、その辺のゴミが、またまた集められてどこかのガラクタ市で売られていることが予想できます。この現実を嫁さんは、端的に,ボケ勝ちねと言って苦笑いです。確かに私が嫁さんより早く逝くかそれとも逆か、確かに先にぼけた方が、何かと得なことは確かなようです。