新刊のご紹介

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スペインのマドリッド指圧クリニックが1984年の10月にスタートとしてあっという間に40年が過ぎました。スペインが、竜宮城とは言いませんが、浦島太郎の如く、光陰矢の如しであったことは確かなようです。

浪越徳治郎先生であれば、祝賀会が定番ですが、この手のお祭りはどうも苦手で、もっぱら家ですてねが、小生にはあってるようです。

それでは何か記念にと、今年の1月から阿是指圧における患者様の体の観察の本を執筆し始めました。少しずつ進めて、イラストレーター兼、本のコーディネーターである篠原さん、学院のスタッフの協力のもと1冊の身体の観察(視診、触診、動診)の本をアマゾンスペインからスペイン語で出版しました。

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この本の最初の書き出しの部分を日本語に翻訳しましたのでここに紹介いたします。

序章

指圧の特徴を述べろと尋ねると、大概の指圧師は、診断即治療と答えます。

親指の指腹で硬結を見つけて圧することを診断即治療とほとんどの指圧師が解釈しています。しかし診断をするという事は、左右の身体の同ポイントを同時に触診して左右の硬結の大小、傷み具合、また左右の動きを動診して左右差を診るという事であり、いきなり硬結部を圧したら、

1 痛みが逃げる。

2 痛みが奥に隠れる。

3 痛みが、増すといった。

諸反応が現れて診断不可能になってしまいます。下手をすると症状が悪化する恐れも考えられます。

この辺が、指圧師の弱い所で、ただ押せばいいというマッサージ屋が、はびこる原因と共に医者や物理療法師のエビデンスを基本として、勉強してきた治療師としての指圧師の信用を欠く要因になっていたと思います。

診断の一つである触診,動診を、左右行い、どちらが虚で、どちらが実かを確認して、虚側を先、実側を後に治療することを優先することは常識と考えています。

また炎症が患部にあれば、

1 叩打法  golpeteo

2 揉捏法  amasamíento

3 伸展法  estiramiento

4 指圧における強圧。Presion con mucha fuerza

以上の四つのテクニックが、禁止技になります。

この辺も考慮して治療を進めていくことも基本と考えています。

勿論、診断をするのは、医者だけの領域であります。

しかし最低限の身体の常識を考慮したうえでの全身指圧治療は、代替療法(予防医学)の一つであります。

この事を考慮して阿是指圧療法で患者様をケアーするには、最低限の予備知識を必要とすることを前提として、ここに皆様のご協力のもと、患者様の身体を診る観察法の本を作成し、そして世に送ることができました。

近代医学が、どんどん発達して沢山の人間の命が救われるようになりました。

しかし一般の人間の身体は、近代医学に比例してどんどん進化しているかというとそうでもありません。

心身一如といった言葉が死語になりつつある現代ですが、意外に人間の身体は、手当てという原始感覚手法を好みます。

手のぬくもりを感じる、ただそのことが肉体の救いになることを指圧を通じて、経験しています。

手のぬくもりが、救いになることが、まだまだ存在します。

私たち治療師の最後の決断は、第六感であり、直感です。この感覚を前面に出して治療をするのが阿是指圧哲学の一つです。

この本が、阿是指圧プラクターの手当て治療の副読本になることを願います。

 

 

阿是指圧 代表

及び塾指圧プラクター  塾長 小野田茂

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