いばらの職業

| 2 Comments

こちらで医者になるには、まず6年間医学部で絞られます。4年目で病院実習が始まりますが、ここでまた絞られます。ただスペインの医者のほとんどは国立の大学の出身で授業料は年間20万円もいかないので日本の医者になるためのお金を考えたら雲泥の差があります。私立大学の医学部もありますが、レベルの面でお金がめちゃ高い割にはレベルが低いことで有名です。

スペインは大学と言えば国立か各都市の自治大学が一般です。駅弁大学はヨーロッパにはありません。私立に対する国の補助がほとんどないのでその辺がネックとなりビジネスが成り立たないのかもしれません。5年目になるとミルと呼ばれる国家試験のためにほとんどの医学生は予備校に大学に行きながら通います。このミルと呼ばれる国家試験の成績により希望する専門職の道を一歩、前進できるか、それともクローズされるかの分かれ目になります。大学を出るだけじゃ働けないのです。日本におけるインターン制度です。

 毎年12000人ほどの医学部の卒業生および医学浪人が受験します。合格人数枠は約5000人から6000人です。後の6000番以降の成績者は、来年の試験まで浪人です。枠内に入った受験者は成績のいい人から希望専門職を、そして希望病院を選択できます。医学生は女の子が多いので小児科が人気があり、だいぶ良い成績でないとマドリッドなどの大都市の小児科のある病院で研修生として働けなく、時には希望職さえもあきらめないとならないケースもあるみたいです。合格枠内に入ったけれども成績が下部の受験生は、自分が選択できる順番になった時はもう希望職種がsold outで家庭医ぐらいしか残っていなくて、あきらめて来年の試験に期待するか、それとも地方の田舎病院の家庭医としての4年間の研修で耐えるかの選択に悩まされます。それでも枠内に入った学生は、インターン生として4年間のサラリーありの病院通いが始まります。

 研修4年の経験後にやっと医者として認められます。それからが、また求人のある病院回り、コネを利用した職探しといばらの道が続きます。そのあとでアメリカにわたり技術を覚えて帰国して花を咲かす医者や、他国で働き帰ってこないスペインの医者もたくさんいます。何しろスペインで医者になる道は、いばら道なのです。

2 Comments

  1. では、スペインのドクター達は、優秀なんですね。

  2. スペインは合計10年で一人前ですから、時間掛けてますよね。外科なんかレベル高いですよ。

Bee にコメントする コメントをキャンセル

Required fields are marked *.