九ずの考察 本音を言わず

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6、本音を言わず
性格的に絶対に本音を言わないやつがいます。何を考えているのかわからないやつです。頭のいい奴ほど本音は言いません。一種の警戒心を本能で感じての自分への保身かもしれません。私などは本音で勝負といった感じで、今まで来ましたので、熱狂的なファンがいる反面、一歩引いて、距離を取って付き合いましょうの人たちもいっぱいいます。敵が多いタイプです。

本音を言わないやつ、気味が悪くありませんか。要するにいざとなったらどっちに転んでもいいようにふるまうやつですよね。私が一番嫌うタイプです。ハワイの因泥先生という私が慕う指圧の大先生がいるのですが、竹のスパ割のような性格で、相手の心を一瞬に読み取ります。本音を言われなくてもすぐにわかっちゃうのです。策士を嫌います。私などは、頭がないので、私が何を考えているかすぐにわかってしまっていつもガンガン言われています。
指圧の未来をいつも考えていて、指圧協会に大久保彦左衛門よろしくガンガン吠えるのですが、まったくもって協会側は、動こうともしません。面白いものでベテランほど、本音を言いません。改革しなければ、未来はないのに、お互い戦友といった意識が先に立ち、みんなの友好関係を優先して、お達者クラブのお友達になってしまうのです。動きが悪くなったベテランは過去の栄光を若者に伝えようとしますが、実は聞いたふりして誰も誰も聞いていません。
 因泥先生は10年前の汗が今日の結果だといつも言われます。病気も同じで患者さんは、昨日ギクッと来ました。昨日からです。と言いますがギクッは悲鳴であり昔からのつけがたまり、もう払えなくなったから、もうやばいよと、体に警告を発しているのです。人間は、急に死ぬわけではなく、徐々に弱っていき最終的にあの世に逝くということを理解しなければならないのです。
本音を言わないやつ、これはこれで、これを一生通せばこれはまたすごいのです。ブレがないのです。ブレのない奴は、本音を言わなくても体で、表示しているので、これはまた大親分の器です。この商いは、しゃべりすぎてもいけないし不愛想でも、感じが悪いし本当に難しい稼業です。でも長く同じことを続けているとわかるのですが、やはり最終的には、自分の地が出てきます。笑いも心からの笑いと表面だけの笑いがあります。患者さんは、2,3回の施術で大体理解できます。第6感です。説明できないけど、なんとなくの拒否です。手で直接接触して、気の病を治すのが私たちの仕事です。人間と人間のふれあいです。本音なんか言わなくてもお互いわかっちゃうのがこの商売の怖さです。
 本当はこの商売の魅力がここにあるのです。超原始的医療が指圧です。効率性や商売として考えるとやってられない商売です。しかしこの触れ合いがあるから、やってる指圧師がたくさんいます。ひねくれ根性の塊みたいな同業者もいくらかいますが、根はみんな優しい奴ばっかしです。
 一人の患者さんに約1時間の治療、王様の医療と言われる由縁はこんなところからきているのかもしれません。

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