指圧列伝 鈴木林三 パート1

| 0 comments

 ベテランの、そして伝説の指圧師の施術を見てみたいと思う時があります。浪越徳治郎先生を筆頭に息子の徹先生、井沢先生、よく古い先生からお名前を聞く、門間先生、禅指圧の増永先生、この辺の伝説の指圧師の施術を観て、神業の一つでも拝めれば、それはそれで価値があるわけです。そんな時、video好きの稻場先生に尋ねると協会が持ってるんじゃないのと、教えてくれました。協会に尋ねると、記録として残っているかもしれません。調べてみます。この返答で、いまだ返答なし。

 稲場先生が自費で熱海の夏季大学の講習模様を撮ってスペインに送っていただいたのが,手元にかなりあります。しかし急に私語が入ったり、カメラを横切る人の姿が写ったり、編集二の次の作品のオンパレード。こんな録画は確かに、協会にもあるようですが、ちょっと寂しい指圧界なのでした。
 そこで、スペインの阿是指圧グループが、誰もやらないのであれば、自分たちが、記録を残そうじゃないかと指圧列伝製作に動き出したのでした。
 まず5人の大ベテランの指圧師をピックアップしました。
 1、稻場哲夫先生、2、小林秋朝先生、3、因泥文彦先生 4、川原善次郎先生 5 鈴木林三先生、このベテランの先生たちです。
この5人のベテランの先生がたは、浪越指圧をベースにまったくもって、自分の体の特徴(手指の関節の柔軟性、、手の大きさ,ETC)を十分に生かして独創性豊かに、治療は勿論の筝、芸術の世界にまで指圧を導いたアーチスト軍団なのです。このベテラン勢の施術を後世に残そうと4か月前からメールで連絡を取り、施術の録画をOKしていただいたのが、鈴木林三先生でした。
 鈴木先生は、浪越の指圧における、施術の前頚部と腹部の指圧に大変こだわる先生でした。2年続けて夏の同窓会主催の指圧セミナーの講師として呼ばれた時も、自分の講習の後、手取り足取りといった感じで、前頚部と腹部の指圧を直伝していただきました。先生が指圧を伝授しているときのお顔は、本当に楽しそうでした。指圧が本当に好きで好きでっしょうがないという人で、私も少ない機会ではありましたが、講習会でご一緒すると必ず,前頚部の指圧、腹部の指圧を直接教えていただき大変感謝しております。
 最後の直伝が、8月9日の録画撮りの後でした。録画撮りはその日の朝の10時から始まりました。私を含めてモデルさん、カメラマン、計7人が、スタッフとして夕方の4時ごろまで録画撮りが続きました。モデルさんも好感度抜群で、林三先生の指圧を気持ちよさそうに受けていていい作品ができると全員の気が最高潮だったのを覚えています。ただ気になったのは、林三先生が始終顔に笑顔をが少なかったこと、全身に流れる気の不足を私たちスタッフ全員が感じていたことでした。録画が終わり一杯飲むために立ち寄った居酒屋でのとぎれとぎれの会話。指圧を糧にする私たちによぎる不安は、やはり的中したのでした。

コメントを残す

Required fields are marked *.