2018年スタートしましたの巻

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 約25年のお付き合いのある患者さんがいます。25年なんとなく指圧を受けに来ている患者さんです。最初の頃はぼーっと現れ、ぼーっと帰っていく、無口な患者さんという印象しかなかったんですが、妙にCAのお姉さんが、患者さんとして現れるようになり、イベリアの指定指圧クリニックのような感じになり、華やかさを増してバブル絶頂の時期に人が人を呼ぶいい時代を満喫させてくれたのがこの時期でした。90年代のスペインのバブル期を妙に懐かしむおじさんなのでした。

 何のことはない、このぼーっとしたお兄さんがイベリアのパイロットで、彼が宣伝してくれたおかげで、もうイケイケの時代を彼が作ってくれたのでした。実際、イベリアに限らず飛行機内での仕事は、過酷で、腰に負担がかかり、いやな顔もできない職業、指圧は最高の薬になるわけです。
 仕事が終わってもジェットラックで、精神が高ぶり、眠るどころじゃない状態の体を自律神経の副交感神経優位にしてくれる指圧は、彼らには最高の医学なのでした。今では、イベリアに限らず、ほかの飛行機会社のスタッフも利用していただきファンも確実に増加して、当クリニックとしてはニッコリの状態なのでした。
 そんな彼も、60歳になり、飛行機のパイロットを卒業して、自由の身となりました。65才までは、イベリアの職員として何もしない(出社しない)けど、通常の給料をもらい、65歳になったら退職して年金生活に入るのだそうです。要は5年間は飼い殺しという訳ですが、これ以上の高待遇はないと思うのですが。やはり世界が違うんだと隣の芝生を見るようにうらやましく思うのでした。彼曰く、ほかの同僚は、中国の飛行機会社に再就職して5年ぐらい働いて、ひと財産を作る同僚もいるけど、俺はやらないと言っていました。要は金があるということで、この状態をエンジョイしているとのことでした。
 結構、中国の飛行機会社は、よい金を出すらしく、待遇を我慢して5年間辛抱すれば、1億円は貯められるとのことでした。マー単純計算して1年2千万円を貯金すれば、5年で1億円、まんざらオーバーでもないことを改めて実感しました。ただ60歳を過ぎてのパイロット家業は、命を削ることは間違いないらしく、パイロットをやめてから,心が隙を作るのか、結構心筋梗塞などでぽっくり逝っちゃう人も多いとのことでした。
正月が終わり、第一週の週末リスボン、第二週の週末はバルセロナ。2018年も老骨に鞭を打ちつつ週末セミナーです。何しろ休ましてくれない、風邪をひいている暇もないくらいのおじさんなのでした。ふと公務員も60歳で定年、コネがなければ、フラフラの無職。大会社のおじさんもいつかは退職、そんな中、手に職のある私は、生涯現役、この世界60台はまだひよっこ。なにが、よかったのか、良くなかったのか。それにしてもこき使われてるなむっとして、2018年がスタートしたのでした。
 

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