気の治療は疲れますの巻

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自分の勘を信じろ、とアップルのスティーブさんが言ってたけど、今の世の中、まったく逆に、人間の原始本能を退化させる時代の真っただ中にいるのが正に私たちの現状です。車にナヴィゲーターを搭載、これ常識。旅行に行くと携帯で現在位置を確認、どこに行きましょうとセットするとアプリが教えてくれます。これなんかは、もうアンチ勘の世界であり、このことは、人間の脳の仕組みを完璧に退化させる行為であることに間違いありません。世の中が、便利になればなるほど、人間が本来持っている動物的な勘が必要のない世界になります。

これやばいよ、なんとなく。この疑問視で動いていた人間様が、携帯のアプリの言いなりになりに動き、これで満足ということになれば,勘という一見スプリッチュアルな世界がすたれていくのが正に世間の流れです。しかしこの頃、逆にスピリチュアルな世界をさまよいたい人が、多くなったんだそうです。特にスペインではその傾向が目立ちます。スペインというよりコンピューター全盛の時代、一様そこそこの国の傾向なんだと思います。

指圧は、決してスピリッアルな世界ではないのですが、何か憧れというか、勘違いした期待感をもって、クラスに参加する生徒が多くなりました。確かに私の世界は、そのへんを考慮するというのか、あえて東洋を演出して、その雰囲気に浸らして技術的な分野をぼやけさせて、商売している輩が沢山います。、こんな野郎は、どこの世界でもいるわけで、まーこちらの人がやっているのであれば、東洋かぶれの輩、マーかわいいですんじゃうのですが、わざわざ日本から来て,作務衣なんか着て、ひげなんか生やした、早期退職的なおじさんが来て偉そうにやられるともう勘弁なのでした。

実はうちの生徒さん、超現実的に未来を見ているともいえるわけです。結構今花形のIT の会社で働く30代後半のお兄さん、お姉さんが、指圧の生徒に多いんだけれど、その生徒さんたちに聞くと今は結構お金を稼いでいるけど、この商売ハッキリ言って65歳までできる商売じゃないんだそうです。せいぜい40代後半で、リタイヤ的な職業なんだそうです。毎日毎日、コンピュータ―と格闘してたら確かに体がおかしくなります。肉体は侵され精神もむしばまれて、うつの世界に入り込むのも時間の問題です。この辺は、この世界の人達は、感じているようです。

先に、先にとどんどん進んでいる国ほど、人間の限界を的確に感じているので超原始的な癒しの世界にあこがれるのもしょうがないような気もします。矢先直樹先生(元東大緊急医療の大将)の人間は死なないという本、そしてこの先生の独自の語り口を聴いていると、あの世界の人が、あなたの隣にいることが正に現実の出来事と一瞬、頷く人が、いてもおかしくないんじゃないかと思います。丹波哲郎の世界なんかはまんざら嘘でもないと思った頃を妙に思い出します。

それじゃ―、タッチングの世界、指圧はどうかと、この世界に夢をもって入って来る人にどうアドバイスをしたらいいのでしょう。。ただ手かざしだけで、体をただせる、なにかを持っている人は、ごくごく稀です。でもなん百万人に一人は、いるのかもしれません。整体の野口春哉先生などは、持っていたんでしょうね。野口先生亡き後、後継者は、現れませんでした。修練したから何かが出るものではなく、何かを感じられるものでもなく、これは生まれつき持っているもんなんです。私ども凡人が、30年修練しても感性は磨けても、どこが悪いのかは、判断できても、ハンドパワーで、すなわち気の力で治すことのできる人は、いるにしても限られた人だと思います。

私どもは、この長年人様を触ることにより、悪い所を感じることは、できます。その程度が限度で、あとは理論を振り回して、体からの警告を除去するぐらいが、平の治療師の限度と私は見ています。感じることは、訓練するとできるようになります。患者さんの体からの悲鳴も聞くこともできます。しかし実は、どこがキーポイントかを見つけるだけで目いっぱいです。この先もこの程度だと思っています。

だから私は、この程度と悟っているので、もっぱら体が、鈍感になり、自然治癒力が低下する過程をフィードバックする治療を、もっぱら虚実の順番を探って、見つけるアスパの理論を私なりに創作した阿是理論の治療を生徒さんに教えています。

それでも、毎日毎日の治療は、できるだけ集中しないように、そして患者さんの奥底を探らないように、解剖学的に、西洋学的に治療に努めています。要は気を使わない治療をします。これはいつ頃からかは、忘れましたがこんな治療を実践するようになりました。テクニックを駆使しての治療です。この治療の利点は、まったく気の消耗がないので、肉体的疲労感はありますが、寝れば、解決の感じでここまで来ました。

でも本当に治したいと思う患者さんは、テクニックは、二の次で、もっぱら気を使い、消耗して結果を出してきました。でもこの治療は、長くは続きません。もっぱらこの頃の治療は、気を無視した、算数的理論治療です。

この頃、仕事をしてないなーと嘆くことがあります。マシン治療をしているからかもしれません。

気で勝負、テクニックで勝負、この2つの治療があります。確かに40年近く患者さんを触っていると末期の患者、老衰の患者、やばい患者。全ての患者の感触が、ふとよみ返るときがありますが、最後のろうそくの灯が、ふーっと力を増す時があることは、ずいぶん見てきたし、最後の踏ん張りの気を感じたことは、確かにあります。

気は、存在します。しかし治療には、使用しませんが、私の指圧です。気は寿命に半比例します。頑張る気を出すと寿命が縮みます。サー今日も頑張らない指圧をするぞー。

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