オタクはどこにでもいるもので、妙に日本が好きなスペイン人がいます。漫画、コスプレ、日本食、韓国じゃなく、中国でもなく、ただただ日本が好きなスペイン人がいます。そんな人たちが毎年一月に日本人会が主催する餅つき大会にやってきます。もう20何年続いていますので、恒例紅白かくし芸大会のようなもので楽しみにしているスペイン人もいるようです。
宣伝なしで1000人が集まるビッグイヴェントなのです。ここ数年、出たがり屋の私が実行委員長を務めさせていただき一月八日餅つき大会が開催されました。会場は、マドリッドの郊外、昔、伯爵か侯爵が住んでいた広い庭付きの豪邸が維持できなくなりそこを土建屋が買い取り、そんな施設にした感じの会場です。会場に日本食コーナー、折り紙コーナー、漢字で名前を書くコーナー、指圧コーナー、本会場は歌あり、餅つき実演あり、二人羽織あり、もうありありのオンパレードで午後一時開演、四時閉幕の三時間の勝負を毎年やっています。
合計150㎏の餅を前日から徹夜で豆腐屋さんが一年に一回のご奉仕、5,6品のおいしい餅セットを作成します。司会者は、某レストランの支配人。日系の企業からの提供のGOODSで福引。餅売りは、おばさんよりお姉ちゃん。毎年始まるまで、もうめちゃくちゃで、これがまた結構面白かったりして、みんな終わるともう来年はやらないなんて言いながらも老骨に鞭打ってまたその日が近づくと、ニヤニヤまた計画を練ったりしてストレス解消に実行委員はやっているのかもしれません。
食事コーナーで欠かせないのは、すしです。特に巻物が受けています。生の刺身より海苔で巻いたアボガドが受けたり、すり身が好きだったり、スペイン人は、タコを食べますので、米を食べますので、馬も食べますので、このように食に対する興味はヨーロッパ一(いち)の旺盛国です。食材も肉OK、野菜OK,魚OK,米OK,食に関してはヨーロッパ一(いち)かもしれません。確かに食材の豊富さはヨーロッパ一(いち)かもしれませんが、舌の方は、何番目かは、知りません。舌音痴という言葉があれば、その言葉が当てはまる人がたくさんいるのも事実です。今この国のテレビは、日本と同じように料理番組が大変多く、コックさんが一躍、脚光を浴びています。作られた主役が多く、見苦しい番組が多く見られますが。
スペイン人に受ける人気食は、焼きそば、タコ焼き、この頃はラーメンも出てきましたね。ご飯に生卵という組み合わせも受けてますので、中国人オナーの日本食レストランがぼんぼん雨後たけのこの訳が理解できます。また円安で沢山のスペイン人が日本を旅行すると居酒屋で感動したり、コンビニで感動したり、デパートの食品売り場でどったまげたり、おもてなしの日本に興奮して早速ファンになって帰ってくる様です。
実際、マドリッドの街を歩くと、いたるところに日本車が駐車してありますので、スペインは日本のお友達なのかもしれません。少なくとも友好国なのかもしれません。そんな国にいる私は、スペインが好きですかと聞かれて考えてしまうのは何故でしょうか。