私の住んでる所の巻

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マドリッドの北に位置する私の治療所は、タクシーの運ちゃんに言わせると客待ちに絶好の地域とのことです。タクシーが、簡単につかまるということは、客が始終あるということで、活気のある場所ということが言えそうです。

 マドリッドの南に旧市街があります。北は昔何もなかった訳で、そんなことから北に北に新築の建物が広がっていった歴史があります。フランコさんが独裁で頑張っていた頃、彼は大きいのが好きということで、南から北に向けて今では、マー普通の道路ですが、当時としてはかなり広い立派な道路を作りました。
 私の治療所がある建物は築50年で、その道路の最後のほうの際に位置しているのですが、建物ができる前のこの地域は、羊がてくてく歩いていた場所で貴族あたりが郊外と称して別宅をぼちぼち立てていたそうです。どこの国でも同じですが、旧市街は、道路が狭く、運搬車が止まったりするともう渋滞ということがしょっちゅうです。
 私などは、旧市街は、めったにいかないし、行かなければならない時は、タクシーを使うといった習慣ができています。その点、新市街は,地下の駐車場、そして道路が広いという好条件がそろっています。
 治療所の新設条件として、駐車場、そして近くに地下鉄の駅、バスの停留所があるといったもろもろの条件がそろって、患者層も決まってくるんだと思っていますが、ラッキーといったらよいのか、治療所は全ての条件がそろった立地条件に位置しています。この点は、まったく恵まれていたわけです。この場所に衣を構えて34年、まったく同じ場所で今まで、生活していたわけになります。
 日本だとマンションの築50年の物件は何の価値もなくなりますが、ヨーロッパは、地震が少ないことも影響してか、物件の価値はほとんど変わりません。条件で一番大事なことは、環境と立地条件のようです。
 私が住んでいる地域に地下鉄の駅ができるということで、住民が簡単によそ者が来てもらっちゃ困るということで、住民が市役所に陳情に行ったとか行かないとか、感覚としては、地下鉄ができれば私としては万々歳なのですが、妙に住んでいる場所にステータスを意識しているおっさんおばさんもいるようです。家にいる時間と治療所にいる時間を比べるとまったくもって治療所にいる時間のほうが多いので、スペイン人を嫁さんに持っていたら間違いなしに即効離婚だったんですが嫁さんが、日本人ですのでどうにか離婚の危機だけは今までありませんでした。これからのことはわかりませんが。
 私の仕事場は、昔米軍の将校さんが多く住んでいたところで、昔は、韓国地域(バーリオデコーリア)と呼ばれていました。終戦後、朝鮮に戦争が勃発したころと関係があるんでしょうが、よくわかりません。40年前は、売春バーも沢山あったようですが、今はその面影もなく、結構今では、昼間は、勤め人がうろちょろして、夜になると評判の良いレストランがたくさんありますので、結構にぎわっています。
 こんな場所にも、風水を考えなければいけないのか、必ず何年かすると必ず閉店してしまう、ローカルがあります。3件ぐらいなんですが、まったくもって3,4年もすると閉店そしてリフォーム、新規のお店の開店なんです。立地条件がいいので、すぐに借り手が見つかるのですが、私を含めた地元の人は、また変わった今度はいつまでもつかと仕舞には、賭けの対象にする輩も出てきます。おそらく借り手は、立地条件がいいので,しめたと借りるんでしょうが、そんな借り手はほとんどがよそ者ですので、過去の歴史を知らない訳です。必ずと言っていいほど、持たないんです。儲かるのはいつも大家さんなんです。ほんとに不思議とその3,4件の同じローカルなんです。まったくもって町というものは、息をしているのが、わかります。ちなみに、一つの店を50年、維持するということは、まったくもって大変なんだそうです。年金も35年で満期らしいから、結構やるジャンと独り言を誰も聞いていないのを承知で放つ、おじさんがここにいます。ジャンジャン。

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