2013年12月16日
by 小野田
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指圧は指圧

ドイツとスイスの指圧はどうですか。実力はどうですかねー、と聞かれたら私は何と答えたらいいのでしょう。例えばですね、あなたが週一回、日本でどっかのおっさんに指圧を受けているとします。まーレベルはそこそこ疲れ位は取れるでしょう。そんな人がヨーロッパに旅行に来て、時差ボケで眠れない、疲れが古傷を呼び起こして腰痛の前触れです。やばいと地元のガイドさんにマッサージ受けたいんですけどと頼みます。来ました、自称指圧師が。仰臥で腹を触診し始めました。掌でなんかやりだしたぞー。これで今日は眠れるかもしれない。終わったらチップあげちゃおうかな、なんて思ったりして。10分すぎて腹の指圧が延々と続きます。掌圧でぐっとぐっともたれた腸がほぐれて来たかな。いな10分間鳩尾周辺を触っているだけなのです。じーっと触っているだけなのです。どうですか、なんて聞いてきました。気が動き出しましたよ。なんていい始めました。俺は、うー気が動きだしエネルギーが奥から湧き出してきました。と答えれば友好関係にひびが入らないのだろうか。それとも気はいいから、圧してください。こってる所を見つけてバンバンぎゅうぎゅう揉んでくださいと。言うべきなんだろうか。 続きを読む →

2013年12月14日
by 小野田
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ジングルベルに思ったこと。

12月も半ば、そろそろジングルベルのああでもないこうでもないが佳境に入ります。スペイン人はこの時期を嫌う人がいます。妙にさみしいんだそうです。普段でも閑散としたヨーロッパの冬。この時期は、確かにさみしい時期かもしれません。一見スペイン人は陽気のハッピーハッピーを想像しがちですが、精神的な悩み、不眠症等の疾患はヨーロッパ一の国なのです。一見陽気、実は暗い、家族しか信じない。こんなタイプが意外と多いのです。新興宗教の団体が一番多いのも実はスペインなのです。だからなんなんだと言われても困りますが。

日本は忘年会、クリスマス、特にデパートは歳末最前線ですね。学生の頃、冬は寒いので温いデパートでバイト、これが4年間の習慣でした。特に渋谷の東急東横店を根城に6時閉店が歳末で、少々時間延長でしたが、デパートが閉まった後、何をしようかと妙にうきうきしていたのを懐かしく思います。今でもその時の上司と親交があり帰国するたびに家に立ち寄っては、短い再開を楽しんでいます。その上司といつもつるんでいましたね。今もあるかは知りませんが、東急本店に行く道のりのちょっとそれたパチンコ屋脇の迷路に、亀八というお寿司屋さんがあり、そこでいつもの注文で一時間ぐらいつまんで、そこでお別れが日課でした。それ以降はお互いどこに行くのか何をするのか一切干渉なし。次の朝、ハイ朝礼、いつもの上司とアルバイトの関係。我儘同士の妙にいい感じの付き合いでしたね。 続きを読む →

2013年12月8日
by 小野田
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ドイツは、やはりドイツです

初めてのドイツで、やはりやはりドイツなんです。ハンブルグに指圧の講習に行ったのですが、家並みが違いましたね。第2次大戦で空襲を免れた建物が大分残っていて、勇壮な古い建物が厳格に立ち並んでいます。家は窓が大きくとられていてその上、カーテンがあけられている家が恰好あります。そして玄関まで柵がなく、家の内まで見られるのです。これはスペインでは考えられない家づくりです。これじゃスペインなら泥棒さんいらっしゃいじゃないですか。スペインの家は、マンションなら一階の窓は鉄格子、一軒家は、高い塀で覆われて絶対に中が見えないようになっています。スペイン人が用心深いというよりは、現実に泥棒さんが、うじゅうじゃの国なのです。泥棒さんの天国なのです。警察に言うぞ、なんて言ったら どうぞ なんて笑われちゃう国なのです。

ガイドさんがホテルの受付でじっとスーツケースに目線がいっている私を見て、先生ここは置き引きなんていませんよ、と軽く言われて立場がまったくありませんでした。スペインでは首絞め泥棒、すり、置き引き、何年も住んでいる住人がやられるのですから、旅行者なんてへの河童なのです。その上、泥棒さん、捕まっても牢屋がいっぱいですぐに出てきちゃうのです。逆恨みされたら大変です、みなさん知らんぷり、これがスペインの現実です。何でそんな国に30年 なぜ これは私も疑問なのです。適当人間には住みやすい国、その一言かもしれません。この答えが的を得ているんでしょうね。 続きを読む →

2013年12月7日
by 小野田
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セミナーの総括 パート1    初心

11月29日、30日、12月1日にドイツのハンブルグ、12月3日、4日、5日、にスイスのZURICHから電車で一時間、そして車で30分のKINTEILという人口200人の雪の積もった山奥で浪越指圧の基本実技講習を助手として出席しました。日本から日本指圧専門学校で41年間もの間、生徒を教えている小林秋朝先生がいらっしゃいました。先生は74歳なんですけど気力、体力は私より2倍も3倍もありますね。こんな先生が講習にいらっしゃれば、私はひよっ子なのです。先生は日本指圧専門学校では1年生を教えているんですけど、まっさらな生徒に指圧のいろはを叩き込むには最高の先生ですね。見習い、今回も先生からばっちり教えの極意を教えていただきました。無駄のない説明、気を抜くタイミング、時には、怒り、飴と鞭をうまく使って計6日間やってくれましたね。私はどういうわけか、ラッキーボーイでここまで来たのは、良い先生がいつも傍にいてくれたことが今思うと、ラッキーでしたね。皆様にバカバカといわれながらも結構大先輩が程よい感じでアドバイスをくれましたね。今回は、大分絞られました。特に初級と上級者の教え方の違い。私はどちらかというと上級者を教える機会が多いので行ってみれば出来上がった人たちのグレードアップです。一方初級者は知らないところのまったくゼロからのスタートですからこちらの方が断然難かしいのです。根気よく教える大変な仕事なのです。

結構戸惑いましたね。ブロークンなスペイン語で教えている自分が、急に日本語でやるわけですから、日本語は難しぞー。生徒になめられましたね。号令も早くなるし、通訳の加藤さんには号令が速すぎると後からつつかれるし、声が頭のてっぺんから甲高く出てきたときには、情けないの一言です。基礎力の不足です。32年在住のスペインの山賊が借りてきた猫ちゃんです。いつの間にか、自己流になり、この業界に、うじゃうじゃいる天狗野郎になってるんですね、こんな時にあえて率先して恥をかくか、適当にごまかすか。そうです恥をかくのです。生徒と一緒に基本指圧の復習です。腰の安定感の有無。圧の角度、親指の指腹の触覚度。すべてチェックです。久しぶりにいい汗をかかせてもらいました。

特にスイスの3日間は、ホテルのホールが講習所を兼ねていて、外は雪、店は何もないの無いないづくしの村です。その上、三度の食事はマクロビオテックです。最終日に体重計で測ったら計3㎏痩せて顔のたるみが若干消失してhappyな気分を味わうことができました。早速明日は8時間のスペインの指圧学校の教えです。新しい気分で変わったね茂と言われるか、またいつものパッションを込めた早口のスパニッシュスタイルで教えるか、サーどっちだ。兎に角今日はねるぞー。

2013年11月22日
by 小野田
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教えのルール 8

こちらで、武道が盛んだと以前書いたことがあります。道場に入るときに挨拶をして入る生徒がいます。なかなかですよね。何か武道をやっているのかと聞くと、ハイ空手をと返事が返ってきました。そうかで、思考がストップします。あえてこれ以上は聞きません。それでよし。空手を習っても、その道にあるであろう日本独自の礼儀までは、期待しても無理ですよね。道を習うのであれば、掃除から始まり掃除で終わるのが常識ですが、その掃除を行うという作業が彼らには理解できません。

 私のクリニックでは、治療室の掃除から患者さんが使用するパジャマのアイロンがけまですべてをスタッフがします。このことを当たり前としてここまで来ましたが、古いスタッフはこれを抵抗感もなく行いますが、新しいスタッフはそのことに納得がいかなくて辞めてゆく者もいました。私とすれば、クリニック全てのことを理解して患者さんを迎えるということの大事さをわかってもらうためにとあえて行うセレモニーと理解しているのですが、この辺のところが微妙に食い違います。

 俺は治療師であり、なぜ掃除をやらなくてはならないのかとの考え方です。掃除をして患者に向かう姿勢を培うなんてとんでもない発想なのです。アイロンがけにしても、きれいに、そして早く、電話が鳴れば一つの仕事をしながら他の仕事に早急に対処するという訓練なのにそれがわからないのです。掃除が完璧に早くできる人は、やはり治療も完璧に出来るのです。アイロンを完璧にできる人は治療も完璧に出来るのです。そこのところを見たくてあえてやらすのですが、人件費を安くするためのオーナーの方針とみるようです。見習いは必ず掃除から始めるのですが、なかなか続ける人がいなく、うちのスタッフはベテランばかりで切り盛りしているのが実態です。 続きを読む →

2013年11月17日
by 小野田
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教えのルール(パッションの奨め) パート 7

このブログもけっこう知れ渡ってきて、バカっぽい文章がいいねと言ってくれる指圧仲間もいて非常に励みになります。先生暇なんだねという声も聞こえてきて、ざけんなよ、俺は一日8人は今でも治療をして、汗を流しているんだぞとも吠えています。結構治療は好きですので、予約はかなり消化しています。治療で稼ぎ、教えは道楽です。

 長生きの秘訣は義理に振り回されないで自分のペースで生きると大橋巨泉が昔言ってたのを思い出しますが、テレビであの顔を見るたびに、我儘放大、自分優先の勘違い人生が見え見えの一四竹(いっすそう)なので、人生そうじゃないだろと彼が出演している番組に出会うたびにチャンネルをガチャガチャ変えた物でした。

 この手の輩は特にW大卒に多いですね。私見と偏見から言わせてもらいますとこれまで何人もの高田の馬場あたり出の人が日本から私の治療所で働きたいと言うので労働許可証を取得して便宜を尽くしてきましたがろくなやつがいませんでしたね。特にあの大学出のお方が3人ほどいましたが全滅でしたね。そんな奴に限って聞いてもいないのに僕は何々大学を卒業しました。だから何。外国で屁のツッパリにもならないお言葉だということをこの手のアホは理解できないのです。 

 医者でも、私たちの商売でも、電話があればすぐに対応する、たとえ楽しい時間を家族で過ごしているときでも急患があれば急患優先、それ、当たり前でしょ。健康商売は、今痛いから、今動けないから電話をしてくるので、すぐに対応するのが我々の義務なのです。その辺の意識があるかないかで、その人の人間性そのものが出てくるのです。使命感です。命を削るのです。燃えて生きるとはこのことなのです。歯が痛い、電話して一週間待ちですと言われたらあなたならどう思いますか。結構この辺が空回りしている人が目につきますけどね。 続きを読む →

2013年11月10日
by 小野田
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教えのルール パート 6

スペインはサッカーが盛んで熱狂的なファンが毎日のように口に泡を飛ばしてああでもないこうでもない。これはどこの国でも同じなんでしょうね。サッカーは嫌いでもないが、かといって好きでもなんでもない。はっきり言って興奮対象にない部類のものです。私の治療所は、レアルマドリッドのスタジアムまで歩いて10分の距離なのですが、サッカー場に足を運んだことがありません。

  どこがいけませんかといわれたら、当たってもいないのに一人で倒れてうーうー言っている選手が多すぎること。役者やのーと思わず苦笑いです。ただこの前レアルのポルトガル人のロナルド選手が腰痛で苦しんでいる原因が腹筋が板チョコなんですが、板チョコ過ぎて背筋とのバランスが取れずに腰痛だというコメントが妙に面白かったです。

 レアルマドリッドがまだまだ有名じゃなくスポーツドクターの利権がまだ薄かった時に、プロの選手をよく指圧したときがありました。肉を食べることが、スタミナの源と思っている彼らに、エチオピアのマラソン選手のアジスアベベはごまがスタミナ源だったんだと片言のスペイン語で納得させるべき妙に力んだのが、25年前のことです。

 一流と言われる、言われた選手は、やはり柔軟性に富んでいましたね。柔軟性に富んでいれば怪我が少ないですからね。硬い人は、一流にはなれませんね。体が硬い人は思考まで硬いのです。柔軟な体があって柔軟な頭が生まれるのです。それと足の親指が大きく発達している人は、踏ん張りがきくのかよい選手が多いですね。足の親指の踏ん張りが弱いと膝が内側にむかずに膝にストレスをためやすく膝を痛めます。膝を痛めるのは一流選手の宿命なのかもしれません。

こちらのサッカーチームは監督があって選手がいるといった感じで、監督の絶対君主です。個性が強い分、選手がその監督に認められなかったら悲惨ですね。飼い殺しです。金をもらっても試合に出られなかったらどうなのかな。指導者(監督)が指導をして強くするこれも一理ありますが。チームがその監督の意見を理解する選手を引っ張ってきてチームを編成して強いチームを作るということが今やられているみたいです。人を育ててチーム作りは日本独自のもので、出来上がった選手を金払って引っ張ってきてチームを作るがヨーロッパのやり方です。指導法の根本的な違いがここにあります。この辺が、日本の会社の経営方法の違いにつながるわけです。ドライがいいかウエットがいいかは、私にはまだ答えられません。

2013年11月7日
by 小野田
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教えのルール パート 5

ヨーロッパは、日本人が考える以上に空手、剣道、柔道、はては忍者さんまでが、武術の一つとしてれっきとしたメニューの中に入っています。何を仰がれるのか、はては香取流なんて言われても、なんだなんだで、私の世界に入っていなかった日本の落とし物を見る思いがします。そんなスペイン人が時々指圧の世界に舞い込んできます。初めのうちは、控えめでいいのですが、こんな輩に限ってなめた野郎が目につきます。なめた野郎とは、武道と指圧をいっしょくたに考えて押忍の世界でやっちゃうんです。指圧は医道です。武道と何の関係もありません。すごい繊細な仕事なんです。

 昔、食えなくなった柔道を教える日本人のおっさんが柔道じゃ飯が食えなくなり、ヴィデオかなんか日本から取り寄せ、ちゃっかり覚えちゃってそれで教えている輩が昔いました。私がスペインで売り出し始めたら消えましたね。そんなみも知らずのおっさんに、あーあのマドリッドの小野田か、あれは俺の弟子だよと言われ続けた時代もありましたね。 続きを読む →

2013年11月5日
by 小野田
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教えのルール パート  4

こちら(マドリッド)で約半世紀にわたり空手の道場を経営して後進の空手指導をしている山下先生というその世界では有名な人がいます。日本人会の会合でよくお話を伺う機会があります。余談ですが、隙だらけなんです普段は。歩き方も蟹股でひょうきんに。ひったくり野郎も間違うよな、間違ってひったくりを試みてやられちゃうんだろうな。落とす(首を絞めて失神させちゃう美技)つもりが落とされちゃうんだろうな。いやこんなベテランは失礼と頭下げて金的(睾丸)を指でピシャット鞭打ちして、ばばっと決めて逃げちゅのかな。まあその先生がよく言うのです。

100人の生徒の入門があるといるね2人ぐらい天才が。何やってもすぐ覚えちゃうんだよ。体は柔軟性に富み、グアポ(いい男)、家庭も裕福、そして何より素晴らしいのは素直さ、この素直な気持ちがセンスのある天才によくあるのだそうです。まるで花形満の世界です。教えるときの雰囲気は、教える側(先生)も教えられる側(生徒)も気持ちの交換(エネルギーの交換)ですのでスムーズにとんとん拍子でことが、進んだ方ががいいわけです。話している最中に茶々を入れられて話していることを忘れたら最悪です。素直に黙って聞くという態度に先生も気持ちよくレクチャーができるわけです。どうせ教えてもらうのでしたら先生に気持ち良く教えさせる雰囲気が一番大事なわけです。そこの雰囲気作りに素直さが余剰効果を生むわけです。 続きを読む →

2013年11月2日
by 小野田
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教えのルール パート 3

ヨーロッパで指圧の講習会を2002年より10年間、日本指圧専門学校の御配慮により年一回選抜された先生方に日本からきていただきヨーロッパの各都市で定期的に開催してきました。大成功の裏側をぶっちゃけちゃうと、教える側と教えてもらう側の期待感の溝があります。それでは日本からの招待パネラーとこちらの参加者の決定的な溝とはなんでしょうか。まず最初にスペイン人が考えることは、新しいことを教わりたい、もしまた基礎編をやるのなら辞退するということを真っ先に考え、そしてためらいもなく主張します。日本側は基礎ができていないのに前に進むことができないと基礎編を主張します。そこで仲介の小野田がしゃしゃり出て、それでは半日は基礎、午後に応用と溝を埋めてシャンシャン、そして何となくOKの進行になります。

 基礎力の大事さは、お互いが承知したことです。反復の力が応用です。10人のスペイン人が出席すれば基礎の大事さが2人ぐらいは理解していると思います。しかし後の8人は新しいものが教わりたいのです。これがスペイン人の気質です。ラテンの血が流れる一般人の気質です。フランス人は10人のうち4人かもしれません。ドイツ人は10人のうち5人かもしれません。これが長い歴史が生んだ各国の国民に対するファーストインスピレーション(印象論)です。日本人は10人のうち7人ぐらいと解釈すればOKですかね。西洋人は基礎力の大事さを忘れ勝ちですが、日本人と比べて決定的な長所は型にこだわらない自由な発想です。創作の世界で指圧を見れば彼らの発想に学ぶところがたくさんあります。 続きを読む →